メディカルペイメント株式会社
新サービス立ち上げの壁は毎月2,000件の口座振替登録。 【BPORTUS継続課金受付サービス】で、登録率が劇的に改善した理由とは。
「湘南美容外科クリニック」をはじめ、国内外210院のクリニックを運営する「SBCメディカルグループ」様。その子会社である「メディカルペイメント」様は、主にクリニック利用者様向けの自社クレジットカードを発行する新サービスを2023年9月に開始しました。
クリニック利用者様向けの自社クレジットカードは、クリニック側・利用者様側の双方にとって便利な存在です。
利用者様は店頭でのサービス申込時に簡単にカードが発行でき、一括・分割・後払いなどの多様な支払い方法を選択可能。クレジットで利用した代金を引き落とす口座振替登録手続きもスマホ上で完結します。国際的なクレジットカードよりも審査のハードルが低いことや、豊富なサービス利用者様向けの特典なども利用メリットです。
クリニック側にとっては、メディカルペイメント様がお支払い費用を立替払いすることで、販売促進・回収リスク回避・入金タイミングの一定化を実現。安定した経営に貢献します。
こうした新サービスの立ち上げに際し「BPORTUS継続課金受付サービス」をご利用いただきました。その導入の背景には、様々な事業課題があったとのことです。
メディカルペイメント 黒川様・橋爪様にお話を伺いました。
新サービスの立ち上げ 課題はweb口座振替の“登録率”
メディカルペイメント様は、どのような経緯で新サービス開発を始められたのでしょうか?
メディカルペイメント 黒川様 当社の母体であるSBCメディカルグループは、現在は国内外に210院のクリニックを展開し、いままでのべ2700万人以上の方々に高品質な美容医療をご利用いただいています。自費診療のお支払いには一括払いだけでなくローンをご利用いただくことも多く、クレジットカード会社様と信販会社様との提携が欠かせません。その手数料はかなりの額となります。
そこで当グループのブランドを冠したクレジットカードを持つことで決済機能を内製し、利益率を向上させる計画が立ち上がったという経緯です。[1] [黒川2]
しかしながら、当初から難しい局面の連続だったんですよ。
新サービス運営ならではの難しい局面とは?
黒川様 当社新サービスの本格的な開発は2023年8月頃からスタートし、同年9月25日から運用開始しました。しかしながら、最初に金融機関様に請求金額を伝える期日に、カードと利用者様の口座情報を紐づけた口座振替の「登録率」が想定をはるかに下回っていることがわかったのです。11月16日という日付まで覚えているほど、強い危機感を持ちました。
利用者様の利便性を重視してスマホでスムーズに登録できるよう設計したのに、登録率は40~50%しかありませんでした。これではまったくビジネスが成り立ちません。すぐにメールでのご案内を開始するとともに、原因を調べ始めました。
利便性と信頼性を両立した「顧客コミュニケーション」の方法は?
何が原因だったのでしょうか。
メディカルペイメント 橋爪様 ウィークポイントは「登録のご案内方法」にありました。開始当初は登録用のURLをランダムに発行し、SMSでご利用者様のスマホに直接送付できるサービスを導入していたんです。
「SBCメディカルグループです。口座情報のご登録をお願いします」といった簡潔なメッセージとURLのみで、URLを開けばすぐに登録に進める。もっともスムーズな手段だと考えていましたが、実はこの形式のメッセージは「フィッシング詐欺」などのスパムメールを想起させ、ご利用者様に警戒されてしまっていることが予測されました。
支払いに関わるご案内だけに、正式かつ詳細な説明が必要だったのです。
それは意外な落とし穴ですね。利便性のために信頼性が損なわれてしまったということでしょうか。
橋爪様 そうです。対処として情報量を増やすことを考えましたが、壁がありました。
もともとSMSは「1通60文字」の文字数制限があるために短いメッセージしか送ることができません。送信通数を足すことで情報量を増やせますが、従量課金であるため費用がかさんでしまいます。
文字数制限のないメール連絡に切り替えれば、とも考えましたが、SMS一通ごとにランダムなURLを発行する仕様であるため、他の連絡手段への移行が難しかったのです。
黒川様 対処を検討している間にも、毎月2000~3000件のお申し込みを頂いている状況でした。その方々にもSMSの送付、初回登録されなかった方に登録を促すためのメールでのご案内、さらに電話での催告が必要な場合もあり、そのたびに追加でコストがかかっていきます。
早い段階で業務体制そのものの切替えに踏み切るしかないと考えましたが、当社内には決済機能をイチから構築運用するほどの機能はありませんでした。
「BPORTUS継続課金受付サービス」提案から1か月半のスピード導入
そうした背景から「BPORTUS継続課金受付サービス」をご検討いただいたということですね。
黒川様 はい。BPORTUSのことは2024年1月に提携先である三井住友カードの担当者様から伺いました。役に立ちそうなサービスを持っている会社が立ち上がるから、検討してみないかと。
当サービスは口座振替受付用のWebサイトを構築し、ご利用者へのURL通知・Web上での口座振替登録を簡単に実現するものです。最初の提案を受けた際はどのようなご印象でしたか。
橋爪様 当社の課題を概ねカバーしているという印象でした。
メールでの通知やサービス導入も簡単で、システム運用を理解する必要もほとんどない。当社の作業は申込書を提出するだけで、サービス内でWebサイトを構築し、URLを審査結果画面に記載、そのまま口座登録へという流れを組めます。
最初に提案を受けたのは2024年2月でしたが、他社と比較検討する必要もなく、すぐにでも使えそうだと思いました。
黒川様 実は、私は逆の印象で……。本当にこんな簡単でいいのかと(笑)。
当初導入していたサービスは従量課金で月額数十万円単位の運用費がかかっていました。しかし「BPORTUS継続課金受付サービス」は月額基本料が数万円と定額で、従量料金も無し。これで結果がついてくるのか正直心配でしたが、SMBCグループという信頼は大きかったと思います。切り替えなくてはならないことは確定していますし、橋爪が「大丈夫」と言っている(笑)。だったら任せてみようと。
「私への細かい報告はいいから、スピードを上げて進めてほしい」と指示しました。
当サービスは学校法人様が学費の収納に活用されたり、ガス料金等の口座振替による回収でご利用いただいていますが、なかでもメディカルペイメント様は抜群に決断が早かったことが強く記憶に残っています。開始後、登録率に改善はありましたか?
黒川様 切り替え完了が4月2日で、その結果が見えるのが5月15日でした。初回登録率は、約80%。これは数回メールでのご案内を経て、やっと到達する数字です。しかも、初回で未登録だった方の再案内メールの反応がよく、すぐに登録率は90%を超えてくれた。SMSの送信料金に加えて再案内の作業工数も軽減され、コストパフォーマンスの面から見ても十分成功と言えました。
橋爪様 提案を受けてから2ヶ月弱という急ピッチで導入を進めるなかで、何度もBPORTUSの担当者とやりとりし調整しました。不明点や改善点への反応が早かったことも良い結果を生んだと感じます。いまも外国人のご利用者様により使いやすい仕様変更とエラーの出し方などの調整をお願いしているところです。
黒川様 新サービス立ち上げの際は、特に導入時に新たな業務が発生することが事業者側の負担になりますよね。システムへの理解や操作方法の習得などが必要となる場合も多いなかで、「BPORTUS継続課金受付サービス」はその手間がほとんどないことが大きなメリットでした。その分、私たちは本来の業務に向き合うことができる。これからもメディカルペイメントとして、ご利用者様に寄り添った決済手段を提供していきたいと考えています。
インタビュー実施時期:2024年6月
お客様プロフィール
- 会社名
- メディカルペイメント株式会社
- 設立日
- 2017年1月13日
- 代表者
- 相川 慶子
- 事業内容
- 医療業界におけるカードレス仕様のハウスカードによるペイメントサービスの提供