導入事例

橋本総業株式会社

請求書発行業務

紙文化が根強い建設業界で、紙の請求書発行BPOから電子化導入までを伴走支援

創業130年以上の歴史を持つ住宅設備機器の専門商社「橋本総業」様は、国内外約50拠点で、10万点超の幅広い製品を提供しています。2016年のホールディングス化に伴いコーポレート機能を集約し、その後の本社ビル建て替えを契機に、2023年夏の本社移転まで請求書発行・送付業務の効率化を段階的に進めました。

BPORTUSは、第1フェーズで「紙の請求書発行BPOソリューション」の導入を支援し、第2フェーズでは「請求書・支払通知書の電子発行」の導入もサポート。現在は紙と電子のハイブリッド送付に対応したBPOソリューションを提供しています。

紙の請求書文化が根強い建設・建築業界では、多様な顧客要望に合わせた送付方法の踏襲が求められました。複雑な発行・送付ルールの引き継ぎからスムーズな移行、現場や顧客の反応、そして業務効率化の成果について、橋本総業株式会社 システム部の平泉様・浅野様、財務経理部の渡部様にお話を伺いました。

「紙の請求書発行BPOソリューション」導入で、月約3万枚の請求書発行業務を大幅効率化

まずは、第1フェーズの「紙の請求書発行BPOソリューション」導入について、背景・経緯を教えてください。

財務経理部 渡部様 第一に、経理メンバーの負荷が高いという背景がありました。
以前は、全拠点の膨大な請求書を、財務経理部が印刷から発送まで一連の作業をすべて手作業で対応していました。月2回の20日と月末の締め日の時期は、大量の処理が集中し、メンバーが総力を挙げても負荷が非常に高い状態でした。また、自社で保有する複数のプリンターの維持費や印刷コストも大きな負担となっていました。そこで、本社移転を機に、請求書発行業務の効率化を検討することになったのです。

橋本総業株式会社 財務経理部 主任 渡部様

システム部 浅野様 旧本社では、マシン室に複数の大型高速プリンターを配備していました。しかし、新社屋にはそれらを持ち込むスペースは用意できず、かつ、経理メンバーが集まって作業できる場所を確保するのも難しい、という問題もありました。

BPOの導入を検討された際、ほかにはどのような課題があったのでしょうか?

システム部 平泉様 本社移転を控え、2023年夏ごろまでに紙のBPOの導入を終える想定でしたが、検討を始めたのは2022年の11月ごろ。1年にも満たない準備期間で進めなくてはならず、また、請求書の仕様や、発行・発送業務における複雑なルールをそのまま踏襲できる仕組みを実現することも課題となっていました。

橋本総業株式会社 システム部 部長 平泉様

導入にあたって、複数社を比較・検討されましたか? BPORTUSに依頼した理由についてもお教えください。

システム部 平泉様 私は開発側のプロジェクト責任者でしたが、当時の財務経理部責任者によれば、複数のアウトソーシング支援会社を検討したものの、「リードタイムが短く、求める仕様の実現は難しい」と断られるケースもあったそうです。そこでメインバンクである三井住友銀行に相談したところ、SMBCグループのBPORTUSさんを紹介いただきました。大手金融機関グループの企業で信頼性・セキュリティ面に安心感があることに加え、“期間”と“仕様”という2つの課題に対応いただける点が最大の決め手になったと認識しています。

BPO事業者には業務処理能力も問われると思いますが、このあたりはどう判断されたのでしょうか?

システム部 平泉様 BPORTUSさんのアウトソーシング業務環境を一度見学させていただきましたが、非常に高速で印刷できるプリンターに加え、ハガキを自動的に都道府県・市区町村単位で仕分けたり、封入封緘を自動で行ったりする高機能の機械もありました。セキュリティも完璧でしたし、お任せして間違いない、と思えました。

BPORTUSからは、どのようなBPOソリューションの提案があったのでしょうか?

システム部 平泉様 当社のシステム内で財務経理部が請求データを作成し、それをBPORTUSさんにまとめて送付する方法でした。しかし、長く続けてきた商慣習や自社ルールをできる限り変えたくないと考えるお客様も多くいらっしゃいますから、もともと使っていた帳票をそのまま再現してもらうことが大前提でした。仕様について細かい要望を出しましたが、BPORTUSさんはすべて受け入れてくれました。

細かい要望とは、例えばどういったものでしょうか?

システム部 浅野様 もともとのシステムでは請求書印刷データのレイアウトが固定されており、改行位置や半角スペースまで細かく調整する必要がありました。改行を一つ誤るだけで、続く何十・何百ページもの明細レイアウトが崩れてしまうほどでした。 BPORTUSさんの提案は「CSVデータを渡すだけで最適なレイアウトに整えたデータを作成する」というもので、帳票レイアウト設計を引き取っていただけることになりました。運用前に請求書サンプルをいただいたのですが、スムーズで問題なく、要望通りの帳票に仕上がっていました。

橋本総業株式会社 システム部 IT開発チーム 浅野様

システム部 平泉様 わずか3カ月で開発するスピード感にも驚きました。導入プロジェクトのキックオフは2023年の4月でしたが、当初の計画通り、8月から運用をスタートすることができました。BPORTUSさんのシステム開発能力は非常に高品質であり、スピーディーかつ的確に求める仕様を実現していただける。BPO事業者には、業務処理の能力だけでなく、開発能力も問われると思いますが、BPORTUSさんは品質・コスト・納期まですべて完璧で、本当に素晴らしかったです。

財務経理部 渡部様 業務サイドとしては、複雑な送付ルールに対応できる仕組みを提案いただけた点が非常に助かりました。当社のお客様は大手ゼネコンから中小工務店まで幅広く、請求書の送付方法も「本社・拠点へまとめて送付」「事業所・支店ごとに送付」「特定部門宛に送付」など多様です。さらに全国にお客様がいるため、到着日数を考慮し、宅配便・通常郵便・速達などを使い分ける必要もありました。 控え処理など細かな仕様まで共有した結果、「請求書の成型から印刷・封入・発送まで一貫対応できる仕組み」を実現できました。

新しい仕組みを運用するにあたって、不安な点などはなかったのでしょうか?

システム部 平泉様 不安はありませんでした。負荷試験も兼ねて、2カ月かけて20日締めと月末締めのシミュレーションを行うことができましたから。BPORTUSさんの提案で、財務経理部がこれまで行ってきた作業と並行する形で隅々までシミュレーションすることになり、テスト体制も数日で組んでいただきました。何千社もの大量の請求書データを処理できるのかはやってみないとわかりませんが、テストのおかげで万全の体制で本番を迎えられました。

システム部 浅野様 テスト後、もともとの請求書にはない余計な改行を見つけましたが、このときもBPORTUSさんは迅速に修正対応をしてくれました。運用に間に合わせることができ、本当に助かりました。

システム部 平泉様 請求書の発行・発送をアウトソーシングすること自体が、非常に大きな変化だと思いますが、BPORTUSさんはそれをお客様に感じさせないほど、請求書の見た目からフォント、サイズ、社判の刻印の位置まで、完璧に再現してくれました。

第1フェーズにおける定量的な成果についてお教えください。

財務経理部 渡部様 圧倒的に業務を効率化できました。それまで、20日の締め日だけでも1万3,000枚の請求書を発行し、控えを含めると約3万枚を人力で印刷していました。さらに封入・封緘、宛先記載、郵便局・配送会社への持ち込みまでを含めると、月2回の締め日のたびに7〜8名が1日がかりで作業してどうにか間に合わせていました。 導入後は、システム上で数字や日付を入力し、完成したデータを送るのみなので、担当者2名で1時間もかからずに処理が完了します。また、複数の大型プリンターを稼働させる必要がなくなり、月20万円のメンテナンス費の削減と、新社屋でのスペース問題も同時に解消できました。

財務経理部の皆さまのご負担もかなり軽減できたのでしょうか?

財務経理部 渡部様 建設・建築業界では20日締めが多く、その時期はまさに戦場でした。請求書の送付ミスや到着遅延は許されず、郵便局の閉局時間までに作業を終えるため、ギリギリで駆け込むことも珍しくありませんでした。こうした負担やストレスがすべて解消されたことは、職場環境の改善という点で非常に大きな成果だと感じています。 また、20日締めは月末の支払業務や決算業務と重なりますが、請求書にかかる作業が削減されたことで、経理メンバーが仕入れや決算など本来の業務に集中できるようになりました。

最適な仕組みで支払通知書を99%電子化。コストと時間を大幅に削る「支援」のカタチとは

ここからは、第2フェーズとなる「請求書・支払通知書の電子化移行」についてお伺いします。取り組み開始のきっかけを教えてください。

財務経理部 渡部様 請求書を含む帳票類の電子化は以前から検討していましたが、着手のきっかけは現場の声でした。「郵便局の体制変更のためか、支払通知書の到着が2日ほど遅れるようになった」「2024年10月から郵送料が大幅に上がりコスト増になる」といった問題が挙がり、まずは取引先に毎月紙で送付している支払通知書の電子化に取り組むことにしました。 一方、お客様に送付する請求書はトラブルがあれば売上にも影響するため、慎重に進める必要があり、他の帳票で事前に試すことが重要でした。

BPORTUSに引き続き支援を依頼した理由についてお教えください。

財務経理部 渡部様 当初から電子化を検討していましたが、BPORTUSさんから「紙の発行BPOの運用も落ち着いてきたので、そろそろ電子化に着手しませんか」というお話があり、コクヨの「@Tovas」という電子帳票配信システムをご提案いただきました。

支払通知書はすべて郵送されていたのでしょうか?

財務経理部 渡部様 当時、支払通知書の送付は全体で月に約830件あり、その内訳はFAX約350件、郵送約180件、メール約300件でした。これらはすべて手作業で対応していたため、FAX・郵送・メールそれぞれ、各担当者が1日がかりで作業している状況でした。

BPORTUSにはどのような要望を伝えられたのでしょうか?

財務経理部 渡部様 コストを抑え、使い勝手のよいものを導入したいとお伝えしていました。「@Tovas」はクラウド型サービスのため、連携モジュールをつなぐだけで導入でき、他サービスより費用も大幅に安価でした。また、コクヨのセキュア環境でファイル授受が行えるため、セキュリティ面でも安心でした。さらに、お客様にアカウント登録などの負担をかけず、送付メールのURLをクリックするだけでデータをダウンロードできる点も大きなメリットでした。

どういったサポートを受けることができましたか?

財務経理部 渡部様 世の中にはたくさんのツールやソリューションがありますが、それぞれの違いまで把握することは難しいものです。当社の業務を深く理解してくれているBPORTUSさんだからこそ、ベストなものをご提案いただけたと感じます。また、コクヨによる機能説明とデモンストレーションも実施していただきました。BPORTUSさんの担当者の方も自ら使い方を教えてくださり、現場のメンバーも取引先も簡単に使える仕組みだと実感できました。

支払通知書の電子化導入による成果をお教えください。

財務経理部 渡部様 取引先の皆さまに電子で明細をお送りできることをご案内した結果、現在は99%が「@Tovas」を利用されています。約500件あった郵送・メール対応はほぼなくなり、350件あったFAXも月5件以下となりました。現場からは、「丸一日かかっていた単純作業のストレスが大幅に減り、本来やるべきことに時間を使えるようになった」「複合機を占領せずに済み、気まずさがなくなった」などの声が上がっています。

請求書の電子化は、支払通知書の電子化と並行して進められたのでしょうか?

財務経理部 渡部様 はい。慎重を期するため、まずは財務経理部でお客様に「請求書の電子化ニーズ」についてアンケートを実施しました。すると、全体の3割程度のお客様から「ぜひやってほしい」とご回答いただけたのです。北海道など、遠方エリアのお客様の場合、やはり郵送による到着の遅れに不安をお持ちだったようです。このアンケートのおかげで社内の合意形成もスムーズに進みました。

請求書の電子化では、どのような運用体制となったのでしょうか?

財務経理部 渡部様 運用面では、紙のBPOと同様に、請求書データをBPORTUSさんに送る形式をそのまま踏襲しているので、運用体制は従前から特に変わっていません。それをもとに、電子送付用の請求書PDFを作成・納品してもらい、それを「@Tovas」経由でお客様に送付するという仕組みをご提案いただいたおかげで、電子化においても請求書を作成する手間を省くことができました。

【請求書発行BPOソリューション】スキーム図

請求書の電子化導入はどのように進めていかれたのでしょうか?

財務経理部 渡部様 2025年の9月からスモールスタートでの運用を開始しました。最初はグループ会社からスタートし、そこから、電子化に積極的なお客様へと少しずつ拡大しています。当初はお問い合わせを多くいただくことも想定しましたが、特に問い合わせをいただくこともなく、スムーズなツールであると感じます。

BPORTUSの柔軟かつ迅速な支援で、紙の慣習が根強く残る業界でも電子化を実現

請求書の電子化を導入されて間もない状況ですが、現時点での手応えについてお教えください。

財務経理部 渡部様 まず、紙の請求書を自社で印刷・封入・発送していた頃からBPOしたことで、作業負荷は大きく軽減されました。 現場からは、 「これまで3日間かかっていた発送作業が、1日もかからず終わるようになった」 「郵便局の受付時間に追われ、大きな段ボールを抱えて24時間営業の郵便局まで向かう負担がなくなった」 といった声が上がっています。財務経理部の負荷とストレスを大きく軽減でき、より働きやすい環境がつくれたことは、本当に良かったと感じます。
一方、電子化は導入直後で定量的な成果はこれからですが、請求書の電子データをシステム上で共有できるようになったことで、営業担当者からの請求書に関する問い合わせはすでに減少しています。

今後については、どのような成果を見込んでいらっしゃいますか?

財務経理部 渡部様 今後については、段階的なコスト削減を見込んでいます。現在は年間で600万〜700万円の郵送代がかかっていますが、電子化が1割進めば60〜70万円、5割進めば300万円以上の削減が期待できます。あわせて、電子化が進むことで請求書の到着リードタイムを大幅に短縮できる点にも期待しています。お客様の送付ニーズを最優先しつつ、長期的に取り組み続け、しっかり進めていきたいと思っています。

紙の請求書BPOも、しばらくは並行されていくのでしょうか?

財務経理部 渡部様 やはり紙の商慣習が根強く残っている業界なので、帳票類をすべて電子化するには時間がかかるものだと実感しています。その中で、BPORTUSさんが紙と電子のハイブリッドで柔軟に対応してくれる点は非常に助かっています。また、請求書データに想定外の調整が必要になった際も、状況に応じて迅速かつ丁寧に対応いただき、大きな安心感を持って運用を続けられています。

今後の展望についてお教えください。

財務経理部 渡部様 経理の現場としては、入金消込の自動化なども実現していきたいと考えています。現在、毎月1,600件もの伝票を手で入力しているので、そこをシステムでサポートしていただけると、さらに現場が楽になるのではないかと考えています。

システム部 平泉様 経理領域はもちろん、財務面の業務効率化やコールセンター業務の電話対応の品質向上など、改善していきたいことはたくさんあります。今後も当社の業務を深く理解し、柔軟な方法をご提案してくださるBPORTUSさんにいろいろと相談していきたいと思います。

今回はありがとうございました。最後に、読者の皆さまへのメッセージをお願いいたします。

財務経理部 渡部様 BPO事業者を選ぶ際は、スピードだけでなく、丁寧なコミュニケーションが重要だと感じています。BPORTUSさんは毎回訪問し、対面でしっかり向き合ってくれたため、ミスや齟齬なくスムーズに移行できました。提案書も毎回わかりやすく作成いただき、他のメンバーにも共有しやすく、社内説得の材料としても非常に有効でした。

システム部 平泉様 私は、社内の業務にBPOのプロフェッショナルの視点が入ることは、効率化以外にも大きなメリットがあると感じています。KPIやKGI、定性・定量的な評価も踏まえたプロの視点からご提案をいただけるので、社員も刺激を受けることができ、社内の業務品質も上がっていく。また、それによって、外から見た橋本総業の信頼性も高めていけると考えています。

お客様プロフィール

会社名
橋本総業株式会社
代表者
代表取締役会長 橋本 政昭 代表取締役社長 阪田 貞一
事業内容
管工機材・住宅設備機器の販売、情報処理及び情報サービスの提供、金銭の貸付・保証業務・債権の売買、リース・賃貸借及び損害保険代理業
URL
https://www.hat.co.jp/
業務効率化を実現するためのポイント・注意点とは 〜DXの先駆者、NECグループの事例から徹底解説〜
前の記事へ

目次